心臓血管外科は、冠動脈バイパス術や弁膜症等の心疾患に加え、大動脈瘤等も含めた成人の心臓血管疾患全般に対して治療を行います。
そして、地域医療に根ざしつつ、一流の医療を提供出来るように精進しています。その結果、
・2007年の心臓血管手術109例のうち、全手術死亡率は1.8%
・2008年の心臓血管手術122例のうち、全手術死亡率は2.5%
・2009年の心臓血管手術94例のうち、全手術死亡率は1%
・2010年の心臓血管手術120例のうち、全手術死亡率は0.83%
全国的には、一般のバイパス術、弁置換などでは死亡率1~3%程度、急性大動脈解離は10~30%の死亡率であり、当院では、緊急手術を含めた結果であり全国的にも優れた極めて良好な結果でした。また、胸部動脈瘤手術は、手術の難易度が高く、しかも手術成績が良い施設と悪い施設との差が出る疾患です。当院では、この4年間に110例の手術を行い手術死亡率は1.8%でした。
また、緊急手術の必要となる不安定狭心症や、解離性大動脈瘤に対しては24時間対応できるように、循環器内科医師、麻酔科医師と連携して万全の体制を取っています。
冠動脈バイパス術
胸痛等を認める場合は、循環器内科で冠動脈造影を行い、カテーテル治療が困難な場合にバイパス手術の適応となります。
冠動脈バイパス術は人工心肺を用いない方法(オフポンプ手術)も行いますが、通常は人工心肺を用いた手術を行います。患者様の状態に合わせて、最も適切な方法を選択します。選択の幅を広げ、より質の高い手術を行う事で、長期的なバイパスの開存、ひいては長期生存につながると考えているからです。
弁膜症手術
弁膜症手術は、僧帽弁形成術など、可能であれば自己弁温存手術を積極的に行っています。しかし、弁が硬くなる硬化性病変など、自己弁を温存が出来ない場合は弁置換が必要となります。また、心房細動等の不整脈に対しては不整脈手術(メイズ手術)も積極的に行っています。
胸部大動脈瘤手術
胸部動脈瘤手術は、手術の難易度が高く、しかも手術成績が良い施設と悪い施設との差が出る疾患です。当院では緊急手術も含め2007年度,手術死亡は4.5%と良好な成績です。2008年度では緊急手術も含め32例の動脈瘤手術を行いましたが、手術死亡、在院死亡は0%と極めて良好な成績でした。
腹部大動脈瘤手術
腹部大動脈瘤の手術は、通常、開腹による人工血管置換術が行われます。しかしながら高齢者や、様々な合併症をもつ患者さんなど、ハイリスクの患者さんでは、術後合併症も多く、手術の適応が制限される場合も多くありました。そこで、腹部大動脈瘤治療の低侵襲化が求められ、ステントグラフト内挿術が欧米で開発されました。日本では、平成18年7月から保険認可されました。しかしながらステントグラフト治療を施行するには、施設、および施行する医師は関連学会の定めた厳格な基準をクリアしなければなりません。
東北厚生年金病院では平成21年5月にステントグラフト実施施設の認定を受けました。宮城県では、東北大学病院、仙台厚生病院に続いて3施設目です。ただし、このステント治療は、新しい治療法であり、長期予後はまだ確立されていません。従って、若く、合併症がない患者さんでは開腹による人工血管置換術をおすすめすることになります。また、解剖学的にステントが困難な場合もあり、万能ではありません。
| 病院長 | 田林 晄一 | 医師 |
| 副院長 | 三浦 誠 | 医師 |
| 主任部長 | 渡辺 卓 | 医師 |
| 医長 | 皆川忠徳 | 医師 |
| 医員 | 神田桂輔 | 医師 |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 新患・再来 | 三浦 誠 | 三浦 誠/渡辺 卓 |
東北厚生年金病院の心臓血管外科では、成人のあらゆる心疾患に対して治療を行っています。心臓血管外科スタッフ数は現在5名です。
当院は、常勤の麻酔科医師が4名と、昨今の麻酔科医師不足の状態下では恵まれた環境にあり、可能な限り臨時手術への対応にも努力しています。
緊急手術が必要な患者様の紹介でも24時間随時受付ていますが、手術中である場合や様々な要
因のため、即座に対応できない場合もあります。そして、ご紹介頂いた患者様の手術は可及的に早
急に手術を行うようにしています。通常のご紹介であれば2週間以内に入院し、入院の翌週に手術可能となります。また、緊急性が高ければ、即日入院して早期手術という方針としております。また、腹部大動脈瘤に対して、低浸襲のステント治療を行う事が出来る腹部大動脈瘤ステント実施施設認定を2009年に取得しました。高齢、肺機能低下などの全身状態不良のため、以前であれば開腹手術の適応とならない患者様でも、ステント治療を行うことが出来るようになりました。 2010年度は、半分以上の症例がステント治療を行い良好な成績でした。また2010年度から胸部大動脈瘤ステントも実施可能となりました。
集中治療室の病床数は8床あり、看護師スタッフも専任で重症患者様の十分な受け入れが可能です。また、当院にはリハビリ科があり、そのリハビリ内容は大学病院に次ぐ設備、スタッフを要しています。高齢化が進み、高齢者(80歳以上)の手術も増加する傾向にあります。術後の筋力低下により容易に廃用症候群となることもあります。ともすると寝たきりになりがちな状態でも、十分なリハビリを行い自立まで進め、先生方からお預かりした患者様をより良い状態で退院まで導くことが出来るものと考えています。