東北厚生年金病院

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各部門紹介

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病理部

病変の有無や進行の程度などを知るために人の体から採取した組織片や切除した臓器を詳しく調べ結果を明らかにすることが病理診断です。病理診断には、細胞診断、組織診断、術中迅速診断があります。たとえば、肺腫瘍の疑いがある人に対して、喀痰中に異常な細胞が出現していないか、あるいは呼吸器内科医が気管支鏡検査で病変から採取した細胞に異常所見がないかを顕微鏡的に調べ、その結果を担当医に報告します(写真1)。これが細胞診断です。他の検査所見も総合し肺癌との診断がなされ呼吸器外科医により肺切除術が行われた場合には、切除肺にみられる病変の大きさ、性状、広がりなどを肉眼観察し(写真2)、必要な部分を切り出し組織標本とし、これを顕微鏡的に観察します。癌であることの確認や悪性度の判定、進行具合、リンパ節転移の有無などを調べ、その結果を担当医に報告します(写真3)。これが組織診断です。また、病変が体の深い部分にあるため手術前に病理診断が困難であるような場合には、術中迅速診断が行われます。術中迅速診断では手術中に病変の一部を採取し、これを速やかに診断し、その結果が執刀医に伝えられ手術方針が決定されます。このように病理診断は、疾患の診断や治療方針を決めるうえで極めて重要な役割を果しています。細胞や組織の採取、臓器の切除は臨床医によって行われますが、病理診断は病理専門医によって行われます。したがって疾患の正しい診断、適切な治療には臨床医と病理医の連携が欠かせません。

写真1 気管支鏡下擦過細胞診

扁平上皮癌が考えられる異型細胞が多数観察される

写真2 肺切除標本

肺の入り口の部分に 気管支を中心とした大型腫瘍を認める

写真3 肺腫瘍組織像

肺腫瘍の病理組織診断は高分化型扁平上皮癌

当院の病理部は1986年の開設で、現在、常勤病理医1名、後期研修医1名、非常勤病理医1名、細胞診断や組織診断標本の作製等を担当する臨床検査技師3名が配置され、年間3000件程度の組織診断、4000件程度の細胞診断、100件程度の術中迅速診断を行っています。臨床医と病理医がスムーズに連携していくうえで、病院内に病理業務に関わる部署が設置され臨床検査技師や常勤の病理専門医が適切に配置されていることが重要です。残念ながら病理専門医の数は日本全体として少なく、当院と同規模の病院の中にも病理機能を有さない、あるいは常勤の病理医が不在である病院が少なくありません。したがって、当院のように常勤の病理医が配置された病理部を有することは、病院機能のなかの優れた項目の一つとなっています。

病理診断の他にも当院の病理部は種々の役割を果しています。院内で定期的に開催されるCPC(臨床病理検討会)やカンファランスが重要なものとしてあげられます。病死された方のご遺体を解剖させていただき、生前の診断の妥当性、疾患の進行具合、治療の適切性や効果を調べることが病理解剖であり、CPCでは臨床経過と病理解剖所見を照らし合わせた詳しい検討が行われます。病理解剖結果やCPCでの検討内容の蓄積は当院内に留まらず医学全般の進歩への貢献が期待されるものです。また、臨床医と病理医が参加して行われる各種のカンファランスでの臨床経過、臨床診断、病理診断などを総合した症例検討も、病院における診療の質の維持、向上に不可欠なものです。

当院では初期臨床研修医に病理部での一ヶ月間の研修を義務付けています。この間に研修医は病理医の指導のもとに初期臨床研修における実施必須項目の一つである剖検症例のレポート作成を行います。同時に病理部内における病理診断などの業務を直に体験してもらいます。将来それぞれが希望する臨床科に進んだ際に、病理部での研修が大いに役立つものと期待されます。また、病理医を目指す方には後期臨床研修などの形で病理研修の場を提供します。

従来、病理診断結果を受診者に説明するのは担当臨床医であり、実際の診断を行った病理医ではありません。したがって病理診断の責任を負う病理医の存在が一般的に広く知られることはありませんでした。2007年9月に厚生労働省、医道審議会標榜部会において「病理診断科」の標榜が承認され、今後、医療、社会に果す病理診断業務の責任がこれまで以上に明らかになり、かつ増していくことになります。前述したように現時点では病理専門医や病理診断機能を有する病院の数は限られており、当面は当院のように病理部門を有する病院が中心となり新たな病理業務の展開に対処していく必要があります。当院は地域の中核病院として近隣医療施設の病理診断業務を当院病理部で受託するなどして、その役目を果していきたいと考えています。

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